現代に生起するさまざまな社会・経済・政治問題に関して、四季を区切って論評をお届けします。創刊号は、天皇陛下御退位を記念して、4月30日としました。平成の時代を振り返り、新しい時代を象徴する各トピックスをまとめてみました。「水素社会の展望」と「大学改革問題」は、編集代表の瀬川久志が執筆し、「オリンピックまであと1年――スポーツ資本主義の幕開け ⑴」「連載小説(Ⅰ) 戦場に散る華--我レルソン島カガヤンに玉砕ス―」は寄稿をいただきました。「蓮華寺池オーガニックマーケット」「旅行記 ―東海道品川の宿―」も寄稿をいただきました。 世に社会経済関係の雑誌は、あふれるほどあることは言うまでもないことですが、あまたある先行・先人の紙誌の中にあって、多少なりとも自己主張ができればと思い、電子出版を企てたわけですが、興味のあるテーマがあればぜひご一読いただき、一笑に付していただければ幸いです。(2019年2月15日) 以下、創刊号の「はじめに」を掲載します。はじめに『季刊 現代社会経済』をamazon KDPから電子出版することになり、2018年暮れから鋭意準備を重ねてきましたが、「光陰矢の如し」とは大げさですが、あわただしく新年度を迎え、「令和」の新時代の幕開けとともに、創刊号の刊行に辿り着くことができました。伝統ある経済社会関係の学術誌の中に、この拙い季刊雑誌を発行することには、些か抵抗と引け目はありましたが、思い切って発行することにしました。私が研究してきた経済学というのは、一時代前にはPolitical Economy と呼称されていたように、政治や社会と接点を持つ、対象範囲の極めて広い研究分野であったことを思い出します。この間、社会経済の複雑化に伴い経済学の研究分野と方法は限りない細分化と、特殊な方法論を持つ多様な研究分野へと展開してきたように回顧されます。創刊号は、「新元号 平成を振り返り新時代を展望する」「連載 分断される大学 ⑴」「オリンピックまであと1年――スポーツ資本主義の幕開け ⑴」「連載・水素社会への展望 ⑴」「蓮華寺池オーガニックマーケット」「連載小説(Ⅰ) 戦場に散る華 --我レルソン島カガヤンに玉砕ス― 夏蜜柑」「旅行記 ―東海道品川の宿―」のコンテンツでスタートすることとなりましたが、社会科学としての一研究分野であり、政治経済学としての伝統を受け継ぐ経済関係雑誌に何が求められるのだろうか? このようなことに思いめぐらせながら、創刊号の発刊に至りました。構想の具体的なことに関しては、「あとがき」で述べましたが、グローバライゼイションを伴う仮想通貨や際限なく拡大するシンボル経済――芸能・スポーツ関係領域、国際的緊張と分断、世界統合への模索などの課題を考察する季刊雑誌として今後内容を充実していきたいと思います。まずは、創刊号の発刊を記念して、編集者の抱負を語らせていただきました。2019年4月22日